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肺動静脈瘻コイル塞栓術後TBT法を用いた肺動静脈分離

久留米大学病院
久留米大学医学部放射線医学教室 田上 利佳 先生 / 久留米大学病院放射線部 鈴木 真 先生
  • ご紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
  • 効能又は効果、用法及び用量、警告、禁忌等を含む使用上の注意につきましては、添付文書をご参照ください。
Content

Title

はじめに

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Body content

症例背景

50歳代、女性、体重48㎏、肺動静脈瘻

Body content

検査目的

肺炎での精査の際のCTにて肺にAVMを指摘された。

使用造影剤

イオプロミド300注シリンジ / 44mL

Title

症例解説

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Body content

肺炎の精査目的でのCTで偶然に肺のAVMを指摘された。無症候性だが流入動脈径が3.4mmあり塞栓術の適応と判断され、治療目的で入院した。左肺動脈下葉枝の造影にて4本のfeeding artery、1本のdrainage veinを有するcomplex type AVMであった。経カテーテル的に離脱式コイル14本でシャント部からfeeding arteryにかけて塞栓し合併症なく終了した。3か月後の経過観察目的で造影CTが施行されている。

Title

画像所見

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Body content

図1.左肺動脈造影
Complex typeの肺動静脈瘻に対して、コイル塞栓術を施行。

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図2a.肺動脈相 MAR使用前
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肺動脈相で末梢血管の描出がコイルによるアーチファクトのためはっきりしない。
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図2b.肺動脈相 MAR使用後
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コイル塊近傍の肺動脈末梢枝が確認できる(矢頭)。
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図2c.肺静脈相 MAR使用前
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肺静脈相でコイルによる末梢血管の描出がアーチファクトのためはっきりしない。
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図2d.肺静脈相 MAR使用後
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コイル塊の外側の肺静脈が確認できる(矢頭)。
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図3.VR画像(肺動脈相,肺静脈相のfusion画像)
Image Caption
コイルと肺動静脈との関連性が明瞭に描出されている。

Title

撮影プロトコル

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Body content
使用機器 CT機種 Revolution CT / GE
CT検出器の列数/スライス数 256列
ワークステーション Ziostation2 / ザイオソフト株式会社
撮影条件 撮影時相 単純 肺動脈相 肺静脈相
管電圧 (kV) Dual Energy(80-140) Dual Energy(80-140) Dual Energy(80-140)
AEC NI:12 NI:10 NI:10
(AECの設定)
ビーム幅 80mm 80mm 80mm
撮影スライス厚 (mm) 0.625mm 0.625mm 0.625mm
焦点サイズ Large Large Large
スキャンモード Helical Helical Helical
スキャン速度 (sec/rot) 0.5 0.5 0.5
ピッチ(mm) 1.375 1.375 1.375
スキャン範囲 胸部 胸部 胸部
撮影時間 (sec) 2.1sec 2.1sec 2.1sec
撮影方向 頭⇒足 頭⇒足 足⇒頭
再構成
条件
  単純 肺動脈相 肺静脈相
ルーチン:再構成スライス厚/間隔 (mm/mm) 5/5 5/5 5/5
ルーチン:再構成関数/逐次近似応用法 Stnd/ASiR-V 30% Stnd/ASiR-V 30% Stnd/ASiR-V 30%
3D/MPR用:再構成スライス厚/間隔 (mm/mm) 0.625/0.625 0.625/0.625
3D/MPR用:再構成関数/逐次近似応用法 Stnd/ASiR-V 70% Stnd/ASiR-V 70%
  Metal Artifact
Reduction(MAR)
Metal Artifact
Reduction(MAR)
造影条件   単純 肺動脈相 肺静脈相
自動注入器機種名/メーカー名 Dual shot Gx7/ 根本杏林堂
使用造影剤 イオプロミド300注シリンジ
造影剤:投与量 Test Injiction:12mL
Scan:32mL
造影剤:注入速度、注入時間 Test Injiction:4.0ml/s, 3.1sec
Scan:4.0ml/s, 8.3sec
生食:投与量 Test Injiction:20mL
Scan:29mL
生食:注入速度、注入時間 Test Injiction:4.0ml/s, 4.8sec
Scan:4.0ml/s, 7.0sec
スキャンタイミング TBT法
ディレイタイム
留置針サイズ (G) 20G
注入圧リミット (kg/cm2) 13 kg/cm2

肺動静脈分離のために、TBT法を使用している。肺動静脈のピーク時間の差は約6秒といわれているので、スキャン時間が2秒、ディレイを4秒とすることで、肺動脈相と肺静脈相の間が6秒になるようにしている。肺循環の1st passは、造影剤がほとんど希釈されないため少量の造影剤でも高いCT値を得ることができる。加えて、コイルのアーチファクトを減らすためにDual EnergyでMARを使用している。Dual Energyで撮影しているため、万が一CT値が低かった場合でも、再構成で実効管電圧を下げることにより、十分なCT値を得ることが可能である。

Title

当該疾患の診断における造影CTの役割

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Body content

血管内治療後の評価において、塞栓術後のシャントの残存や再開通の有無について造影CTでの評価は時間空間分解能において非常に優れるため、追加治療の必要性の判断において必須検査となっている。特に肺動静奇形瘻の治療後評価については動静脈瘻の残存や再開通の有無について塞栓術後部位についての肺動脈および肺静脈の血管の走行や分枝の残存・詳細を評価する必要があり、肺動静脈を分離して撮影技術が必要となる。これらの情報を得るためには至適撮影タイミングでの撮影が重要となる。

また肺動静脈奇形の塞栓物質にはブラチナを材質とする離脱式コイルが使われることが多く、塞栓術後の評価についてはこのコイルによるアーチファクトを抑制した撮影法(処理法)も必要である。

Title

CT技術や撮像プロトコル設定について

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Test Bolus(TB)時とMain Bolus(MB)時の血流動態変動による影響を考慮したTest Bolus Tracking(TBT)法を行うことで肺動静脈分離撮影が可能となり1)また検査時間の短縮にもなる。

また、肺動静脈のピーク時間の差は約6秒と言われており、スキャン時間を2秒、撮影ディレイを4秒にすることで、肺動脈相と肺静脈相の時間差が6秒になるようにしている。

また肺循環の1st.passを狙った撮影となるため、造影剤が希釈されることが少なく、少量の造影剤で高いCT値を得ることができる。

肺動静脈瘻の塞栓術後部位について、肺動静脈瘻の残存や再開通の評価をする際に、コイルによるアーチファクトが強いとその判断が困難となる場合が多い。これらの塞栓術に使われるコイルのアーチファクトを減らすためには、dual energy CT撮影を行うことで、再構成で実効管電圧を下げることにより十分なCT値を得ることが可能であり、また金属アーチファクト除去(metal artifact reduction MAR)ソフトウエアとの併用も可能である2)。アーチファクトを抑えた画像により、治療後周囲の肺動脈および肺静脈の血管評価が容易となり、塞栓術後の流出路や流入路の残存について判断しやすい状況となる。

Title

参考文献

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Body content
  1. Yamaguchi T, Takahashi D. Development od Tset Bolus Tracking Method and usefulness in coronary CT angiography. Japanese Journal of Radiological Technology. 2009 Vol.65 Issue 8 pages 1032-1040
  2. TATSUGAMI F. Dual energy CTのUpdateとディープラーニング画像再構成(True Fidelity)の使用経験GE Healthcare Japan Edison Seminar 2019
CF Number
PP-IOPR-JP-0100-09-02

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