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症例報告

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Dynamic CTによる膵癌の1例

久留米大学病院
久留米大学医学部放射線医学教室 椿 史裕 先生
  • ご紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
  • 効能又は効果、用法及び用量、警告、禁忌等を含む使用上の注意につきましては、添付文書をご参照ください。
Content

Title

はじめに

Reference Paragraph
Body content

症例背景

80歳代、男性、53kg、進行膵癌

Body content

検査目的

膵体部癌の病期診断目的。

使用造影剤

イオプロミド300注シリンジ / 100mL

Title

症例解説

Reference Paragraph
Body content

糖尿病にて近医にて定期受診されていたが、体重の減少と耐糖能異常の増悪を認めた。腹部超音波検査にて、膵腫瘍と肝腫瘍が疑われ当院を受診された。造影CT検査にて、膵体部癌と転移性肝腫瘍が疑われ、超音波内視鏡下膵腫瘍生検にて腺癌が検出され、膵体部癌(浸潤性膵管癌)および多発肝転移と診断された。

Title

画像所見

Reference Paragraph
Image List
Image
Image Title
図1.動脈相
Image Caption
膵体部に不整な腫瘤性病変を認める(➡).正常の膵実質に比べて増強効果が弱く、低吸収域として描出される.病変と連続して後腹膜領域に軟部組織濃度の病変が連続し,後方組織浸潤が示唆される.また腹腔動脈、総肝動脈、脾動脈周囲にも病変を認め,動脈の口径不整が見られる(→).脈管浸潤を疑う所見である。
Image
Image Title
図2.平衡相
Image Caption
膵体部の腫瘍は動脈相に比べて造影されており、動脈相と比べて正常の膵実質との境界が不明瞭になっている(➡)。図1の所見と併せて漸増性の造影効果が示唆され,膵癌と診断された。
Image
Image Title
図3.動脈相
Image Caption
肝内にリング状に造影される腫瘍(→)が多発しており、多発肝転移の所見である。

Title

撮影プロトコル

Reference Paragraph
Body content
使用機器 CT機種 Revolution CT / GE Healthcare
CT検出器の列数/スライス数 256
ワークステーション
撮影条件 撮影時相 単純 後期動脈相 門脈相 平衡相
管電圧 (kV) 120 120 120 120
AEC NI : 10.0 NI : 9.0 NI : 9.0 NI : 9.0
(AECの設定)
ビーム幅 80mm 80mm 80mm 80mm
撮影スライス厚 (mm) 0.625 0.625 0.625 0.625
焦点サイズ Large Large Large Large
スキャンモード Helical Helical Helical Helical
スキャン速度 (sec/rot) 0.5 0.5 0.5 0.5
ピッチ(mm) 0.992:1 0.992:1 0.992:1 0.992:1
スキャン範囲 上腹部 上腹部 上腹部 胸部から骨盤
撮影時間 (sec) 2.1 2.1 2.1 4.7
撮影方向 頭⇒足 頭⇒足 頭⇒足 頭⇒足
再構成
条件
  単純 後期動脈相 門脈相 平衡相
ルーチン:再構成スライス厚/間隔 (mm/mm) 5 / 5 5 / 5 5 / 5 5 / 5
ルーチン:再構成関数/逐次近似応用法 Stnd / ASiR-V 40% Stnd / ASiR-V 30% Stnd / ASiR-V 30% Stnd / ASiR-V 30%
3D/MPR用:再構成スライス厚/間隔 (mm/mm) 1.25 / 1.25 1.25 / 1.25 1.25 / 1.25 1.25 / 1.25
3D/MPR用:再構成関数/逐次近似応用法 Stnd / TFI H Stnd / TFI H Stnd / TFI H Stnd / TFI H
造影条件   単純 後期動脈相 門脈相 平衡相
自動注入器機種名/メーカー名 Dual shot Gx 7 / 根本杏林堂
使用造影剤 イオプロミド300注シリンジ
造影剤:投与量 600mgI/kg
造影剤:注入速度、注入時間 注入時間 : 30sec
生食:投与量
生食:注入速度、注入時間
スキャンタイミング 固定法
ディレイタイム 45sec 22sec 108sec
留置針サイズ (G) 20G
注入圧リミット (kg/cm2) 12kg/cm2

Title

当該疾患の診断における造影CTの役割

Reference Paragraph
Body content

膵癌(膵管癌)は乏血性腫瘍であり、造影早期での膵実質との増強効果の違いにより腫瘍を描出することができる。また、dynamic studyでは漸増性の造影パターンを呈することが知られており、造影パターンから他の膵腫瘍との鑑別を行える。症状が軽微で発見される膵癌はサイズが小さいことが多く、薄いスライス厚で撮像と再構成を行わないと同定が困難な場合がある。

造影dynamic CTでは腫瘍の検出に加えて,周囲との関係を詳細に知ることができ、周囲臓器への浸潤の有無を評価することができる。特に血管系については、dynamic studyの動脈相や門脈相により、動脈系や門脈、静脈系の血管解剖の把握や脈管浸潤の評価を行うことができる(1)。
周囲臓器や血管浸潤の評価から、病期診断や手術適応についての評価ができ、治療法の決定における重要な役割を担っている。

Title

CT技術や撮像プロトコル設定について

Reference Paragraph
Body content

Revolution CTは、256列のWide coverage area detectorであり、さらに最速0.28秒のローテーションタイムを有している。また近年本機に、深層学習による画像再構成法Deep learning image reconstruction(DLIR)が実装された。DLIRは、高線量のFiltered back projection(FBP)画像を教師画像とし、あらかじめ学習させたDeep neural network(DNN)を通じて、臨床データの画像再構成を行なっている(2)。

撮像時のヨード造影剤の選択,投与方法については,膵癌は乏血性腫瘍であるため、動脈相での膵の増強効果をあげることにより、膵癌部を低吸収域として明瞭に描出するように設定する.それには,高ヨード濃度造影剤を使用する,あるいは時間比ヨード量を増加させるために造影剤注入速度を高く設定し、良好な検出能を得ることができる。

Title

参考文献

Reference Paragraph
Body content
  1. Elbanna KY, Jang HJ, Kim TK. Imaging diagnosis and staging of pancreatic ductal adenocarcinoma: a comprehensive review. Insights Imaging. 2020 Apr 25;11(1):58.
  2. McCollough CH, et al. Use of artificial intelligence in computed tomography dose optimization. Annals of the ICRP. 2020;49(1_sup-pl):113-125.
Body content

使用上の注意【添付文書より抜粋】

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(11)高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
5.高齢者への投与
本剤は主として、腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら使用量を必要最小限にするなど慎重に投与すること。

CF Number
PP-IOPR-JP-0099-28-02

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