カテーテルアブレーション前の左心房、肺静脈造影検査
- ご紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
- 効能又は効果、用法及び用量、警告、禁忌等を含む使用上の注意につきましては、添付文書をご参照ください。
Title
はじめに
患者背景
60歳代、男性、71kg、長期持続性心房細動、慢性心不全
検査目的
長期持続性心房細動に対するカテーテルアブレーション術前の左心房、肺静脈造影目的で造影CTを施行した。
使用造影剤
イオパミロン注370 シリンジ・20mL、TBT法のプレテストボーラスで7mL
Title
撮影プロトコル
使用機器 |
CT機種 |
SOMATOM Definition Flash / シーメンスヘルスケア |
---|---|---|
ワークステーション |
Ziostation2 / ザイオソフト |
撮影条件 |
撮影時相 |
動脈相 |
---|---|---|
管電圧 (kV) |
80kV(CARE kV Semi Auto) | |
AEC |
有 | |
AECの設定 |
ref.mAs 120kV 160mAs | |
ビーム幅 |
38.4mm×2 | |
撮影スライス厚 (mm) |
0.6mm | |
焦点サイズ |
1.2 | |
スキャンモード |
Dual Source | |
スキャン速度 (sec/rot) |
0.28 | |
ピッチ |
3.2 | |
スキャン範囲 |
気管分岐部から心臓下端 | |
撮影時間 (sec) |
0.55sec | |
撮影方向 |
頭⇒足 |
再構成 条件 |
|
動脈相 |
---|---|---|
ルーチン:再構成スライス厚/間隔 (mm/mm) |
1mm/1mm | |
ルーチン:再構成関数/逐次近似応用法 |
I31f/SAFIRE4 | |
3D/MPR用:再構成スライス厚/間隔 (mm/mm) |
1mm/0.5mm | |
3D/MPR用:再構成関数/逐次近似応用法 |
I26f/SAFIRE4 |
造影条件 |
|
動脈相 |
---|---|---|
自動注入器機種名/メーカー名 |
デュアルショットGX7 / 根本杏林堂 | |
使用造影剤 |
イオパミロン注370 シリンジ | |
造影剤:投与量 |
注入速度×5秒 (mL) | |
造影剤:注入速度、注入時間 |
注入速度:除脂肪体重×0.07(mL/sec) | |
生食:投与量 |
体重(kg)×0.4(mL) | |
生食:注入速度、注入時間 |
造影剤の注入速度と同様 | |
スキャンタイミング |
TBT法*1
|
|
ディレイタイム(sec) |
14sec | |
留置針サイズ (G) |
22G | |
注入圧リミット (psi or kg/cm2) |
10kg/cm2 |
*1:TBT法(Test Bolus Tracking法)
Title
心臓CTの撮像プロトコル設定について
造影剤投与法
冠動脈評価目的の検査では主に100kVを使用し、造影剤はTBT法にて投与し、フローレートは除脂肪体重×0.068(mL/s)とし、13秒間注入後生食を後押ししている。高体重の場合は120kVを使用し、フローレートは除脂肪体重×0.075(mL/s)としている。
撮影法
冠動脈評価目的の検査では主に心電図同期によるプロスペクティブのstep and shoot法にて行っているが、高度の不整脈の場合にはレトロスペクティブのヘリカルスキャンにて行う場合もある。また、動きの少ない画像、被ばく低減を目的に心拍数65以上の場合にはβブロッカーを投与している。
カテーテルアブレーション治療前の左心房および肺静脈の撮影では両上肢挙上、非心電図同期での撮影であるため高体重の場合でも80kVを使用し、デュアルソースCTによる高速二重ヘリカルスキャンにて撮影を行っている。
Title
撮影プロトコルについての解説
頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療前に左心房および肺静脈の撮影を行い、Electro-ana-tomical mappingシステムへの画像提供、3D画像作成による形態把握をしている。造影剤は循環器内科医師と相談の上、左心房および肺静脈だけを選択的に造影することによってプレテストボーラスを含め30mL前後である。また、低電圧を使用し、逐次近似応用再構成によって造影効果を維持しながら当院の肺がんCT検診より低い被ばく線量で撮影している。また、デュアルソースCTによる高速二重ヘリカルスキャンにより心電図非同期ながら心臓の動きが抑えられた画像を提供している。