TAVI術前CT
- ご紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
- 効能又は効果、用法及び用量、警告、禁忌等を含む使用上の注意につきましては、添付文書をご参照ください。
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はじめに
患者背景
80歳代、男性、55kg、大動脈弁狭窄症
検査目的
大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療を計画。
留置する大動脈弁のサイズやアクセスルートを評価するためCT検査を施行した。
使用造影剤
イオパミロン注370シリンジ / 47mL
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画像所見
図1:大動脈のVolume Rendering、Maximum Intensity Projection
大動脈の石灰化の分布と動脈瘤や屈曲が無いことが把握できる。
図2:大動脈弁のVirtual Endoscopy(収縮期、拡張期)
大動脈弁の開閉や石灰化の分布を評価できる。
図3:大動脈弁輪径の計測
新しく留置する弁のサイズを決定する。
図4:下肢血管のCPR
カテーテルを挿入するのに、支障となる狭窄や閉塞が無いことが確認できる。
心臓CTの適応について
冠動脈CT検査はガイドラインに準じて、虚血性心疾患が疑われる症例やCABG術後の評価を中心に検査を行っています。また手術プランニングや手術で再建した冠動脈の評価も行っています。
心臓CTの撮像プロトコル設定について
DRLを考慮し、被ばく低減に努めています。必要最小限の線量で撮影するため、拡張期に限定した撮影方法を選択できるよう適切に心拍コントロールを行っています。体型と石灰化スコアを組み合わせて、画質を劣化させることなく低管電圧(100kV)で撮影を選択しています。画質を担保するため、逐次近似再構成を併用しています。
イオパミロン注370シリンジ製剤について
当院の冠動脈CT検査における造影効果の指標は左右冠動脈入口部のCT値が326HU以上となることです。体型に合わせて必要な造影剤量は異なるため、イオパミロン注370シリンジ製剤の50mLと100mLを使い分けることで無駄なく運用しています。
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撮影プロトコル
使用機器 | CT機種 | Aquilion One GENESIS Edition/ キヤノンメディカルシステムズ |
---|---|---|
ワークステーション | Ziostation2/ザイオソフト |
撮影条件 | 撮影時相 | 管電圧(kV) | AEC | (AECの設定) | ビーム幅 | 撮影スライス厚 (mm) | 焦点サイズ |
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動脈相(胸部) | 100kV | Volume EC | SD30.5(0.5mm) | 128 | 0.5 | 大焦点 | |
動脈相(腹部) | 100kV | Volume EC | SD16(1mm) | 128 | 0.5 | 大焦点 | |
撮影時相 | スキャンモード | スキャン速度(sec/rot) | ピッチ | スキャン範囲 | 撮影時間(sec) | 撮影方向 | |
動脈相(胸部) | 心電図同期ヘリカル | 0.275 | 0.128 | 胸部 | 10 | 頭⇒足 | |
動脈相(腹部) | 心電図非同期ヘリカル | 0.275 | 0.805 | 腹部 | 3 | 頭⇒足 |
再構成条件 | 動脈相(胸部) | 動脈相(腹部) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ルーチン | 3D/MPR用 | 大動脈弁の計測 | ルーチン | 3D/MPR用 | 大動脈:3D、下肢血管(CPR) | ||
再構成スライス厚/間隔(mm/mm) | 1/1 | 0.5/0.5 | ー | 1/1 | 1/1 | ー | |
再構成関数/逐次近似応用法 | FC43/AIDR3D Stan-dard | FC43/AIDR3D Stan-dard | ー | FC43/AIDR3D Stan-dard | FC43/AIDR3D Stan-dard | ー | |
FOV(mm) | ー | ー | 200 | ー | ー | 350 |
造影条件 |
動脈相(胸部) |
|
---|---|---|
自動注入器機種名/メーカー名 |
Dual Shot GX/根本杏林堂 | |
使用造影剤 |
イオパミロン注370シリンジ 50mL | |
造影剤:投与量 |
15.2mgI/kg/sec | |
造影剤:注入速度、注入時間 |
21sec | |
生食:投与量 |
35mL | |
生食:注入速度、注入時間 |
21sec | |
スキャンタイミング |
BT法 (下行大動脈/150HU) | |
留置針サイズ (G) |
22G | |
注入圧リミット(psi or kg/cm2) |
15kg/cm2 |